年下御曹司の箱入り家政婦

オープンテラスに出ると
どこまでも続く青い空と
眼下に広がる街の景色のコントラストに
思わず心が弾んだ。

そして、このレストランは
石窯で焼いたピザの専門店らしく
私はマルゲリータを櫻ちゃんは
照り焼きチキンのピザを頼んだ。


「ん!美味しい!! 
流石、石窯で焼いたピザは美味しさが
違うわね」

私は出されたピザを一口頬張ると
思わずその美味しさに目を細めた。

「良かった。いつもの羽菜ちゃんだ、
さっき少し様子がおかしかったから。」


「うん。ちょっと昨日飲みすぎちゃったかな...」

私は苦笑いしながら
誤魔化した。

きっと新さんとのことを話せば
櫻ちゃんは飛んで喜ぶに違いない。

だけど、今は今朝の出来事を
話すとこの場で泣いてしまいそうで
どうしても櫻ちゃんに
語れる心境になれない。

私は今朝のこと思い出して
再び表情を曇る。

するといきなり隣からワンッと
犬の鳴き声が聞こえた。

びっくりして
隣をみると小さな犬を連れた老夫婦が
隣のテラス席へと腰を下ろしていた。


「あっ、そうだ!
櫻ちゃんにプレゼントがあるの!」

私は不意に思い出して
バッグの中を探る。

「えっ!!プレゼント!!」

櫻ちゃんはワクワクと目を輝かせて
待っている。

「はい、これ!」

私はお土産屋で買ったワンちゃんの
ガラス細工をテーブルの上へ置いた。

「ありがとう!! 
ところでなんで犬?」

櫻ちゃんは嬉しそうに
ガラス細工を手に取ると
不思議そうに首を傾げた。


「櫻ちゃんにそっくりだなって
思って」

「え?僕に?似てるかなぁ?」

「そっくりよ!!」

「まあでも僕は羽菜ちゃんを守る番犬だから
あながち間違いではないね。」

「まったく躾がなってないけどね。」

「失礼だなぁ。
こんなに御主人様に忠実な犬どこを探してもいないよ」

「どこがよっ」

私はケタケタとお腹を抱えて笑った。