年下御曹司の箱入り家政婦

それから帰りは案の定
櫻ちゃんの我儘で私は
バスではなく櫻ちゃんの車で
帰ることとなった。

斗真くんはというと
昨夜のお酒の席で関さんと茜ちゃん
とすっかり打ち解けたようで
私の代わりにバスに乗ったのだ。

なので必然的に車の中は
私と櫻ちゃんの二人きり。

だけど、折角のチャンスにも関わらず
私は櫻ちゃんに告白する気分ではなかった。

新さんの沈んだ表情を見た後だと
やはりすぐには気持ちを切り替えることは
できない

私は鬱々とした表情で
窓の外の流れる景色を見つめる。

「やっぱりお邪魔虫がいないと
同じ車内でも空気が違うね♫」

上機嫌でハンドルを握る櫻ちゃんは
ウキウキと弾んだ口調で言った。


「そうね...」


私は外を眺めながら相槌を打つ。


「羽菜ちゃん、折角だから
お昼御飯は二人で美味しいもの
食べて帰ろうか!!」


「そうね. . .」


「羽菜ちゃんは何食べたい??
お寿司?お肉?
羽菜ちゃんの好きなものなら
なんでも御馳走するよ!」


「そうね. . .」


「・・・・・・・」


そんな様子のおかしい私を櫻ちゃんが
見逃すはずもなく
高台にあるお洒落なレストランを
見つけると車を停車させた。