年下御曹司の箱入り家政婦




「あいつのことが好きか?」


優しい声で問う新さんに
私は涙を拭いながら
コクリと頷く。


「そうか...」


新さんは小さく呟くと
フゥっと大きく息を吐いた。

「なんでライバルがあいつだったんだろう。
ほんと強敵すぎ. ..
ゲームであいつがボスキャラだったら
あまりのしつこさに
勇者も降参してただろうな...」

新さんの言葉に私は泣きながら
笑ってしまった。

きっと私に気を遣わせまいとする
新さんなりの優しさなのだ。


「私、新さんのことは誰よりも
尊敬してます。
料理に対する情熱やこだわりは、
近くで見てて本当にすごいなって
ずっと憧れていました。
それにいつも冷静沈着で
トラブルが起きて、皆慌てふためいてても
新さんがいるとチャチャッと解決しちゃうんですよね。
口にはしないけどきっと
関さんも茜ちゃんも新さんのこと、
とても頼りにしてると思います。」

「そんなに褒めちぎるのにそれは恋愛に
発展しないか?」

新さんは薄く笑みを浮べながら問い掛けた。

「ごめんなさい。
新さんがどうこうというよりも
櫻ちゃんが特別なんです」

私は震える声を堪えながら
話を続けた。