年下御曹司の箱入り家政婦



「おはようございます。
新さんももしかして今から露天風呂ですか?」

「ああ、
あの3人の寝相とイビキに
起こされたから」

「フフッ、想像しただけで
なんだか騒がしそうですね」

「あいつら、あんな騒がしい中で
よく熟睡できるよ」

「櫻ちゃんは一度寝たら
なかなか起きませんからね」

私が思い出しながら、
クツクツと笑っていると
新さんは複雑な表情を浮かべた。

「夢野、ちょっと二人で話したいんだけど
少しだけいいか...?」


「は、はい」


新さんのいつもより
少し低い声のトーンに
私は変な緊張感が走った。

「ここじゃあなんだから
外に出ようか」

なんだか元気のない新さんが
気になりながらも私はコクリと頷くと
黙って後をついて歩いた。

そして昨夜の庭園へと辿り着くと
黙って長椅子に座る新さんの
隣に私もそっと腰を下ろした。


夜とは違って朝の庭園は  
小鳥のさえずりと共に
清々しい緑の香りが
鼻腔をくすぐる。

しかし、二人で座ったものの
新さんはただ黙って
切なげに庭園を眺めているだけだ。