「※◎△$♪×¥●&%#?!」

羽菜ちゃんは口に手を当てて
言葉にならない叫び声を上げている。


すると新が後ろで騒がしい僕達に
気づいて振り返る。

「何そんなとこで
立ち止まってるんだ?」

そして怪訝そうな表情を浮かべた。


「何でもないよ。
UFOかと思ったらただの飛行機だった。
ねっ?羽菜ちゃん?」

僕は羽菜ちゃんに微笑みかけると
羽菜ちゃんはググッと言葉を詰まらせる

「さて行こうか」

僕はお構いなしに羽菜ちゃんの手を握ると
歩き出す。


新は少しの間、夜空を見上げてから
再び前を向いて歩き出した。


「神に誓って人前ではキスしないって
言ってなかったっけ?
さっきは斗真くんの前でしたし、
今度は新さんの前でするなんて
何考えてんのよ(怒)」

羽菜ちゃんは小声で説教を垂れる。

「新の前ではしてないよ。
だって新の後ろだもん。
それに気づいてないから問題ないでしょ?」

僕はそう言って肩をすくめてみせた。

「もぉ、ああ言えばこう言うんだからっ」

羽菜ちゃんは繋いでいない方の手で
額に手を当てうなっている。

「神様もそのくらい大目にみてくれるよ」

そう言って僕は羽菜ちゃんに
ウシシッと悪戯に微笑みかけた。