年下御曹司の箱入り家政婦

そんな絶望感に襲われている僕をよそに
羽菜ちゃんは 
「食い意地なんてはってないですよ」
と新に言葉を返した。

その言葉に新は
「いつも食べ物の話ばっかりしるくせに」
とクツクツと思い出し笑いをしている。


きっと他のやつなら
なんの気無しに聞き流している会話なのだが
こと羽菜ちゃんに関しては異性と話すだけでイチャイチャしてるようにどうしても聞こえてしまう。

そして徐々に僕のイライラはつのっていく。

「そりゃあ、これでも料理人ですから
食べ物の話はしますよ!」

「そうだな。夢野はプロの料理人だもんな」

「あっ、なんかちょっとバカにしてませんか?」

「してないよ。」

蚊帳の外の僕に
羽菜ちゃんは
見向きもしてくれない。

「新さんが言うとなんかバカにしてるように
聞こえるんですよ」

「ったく、ほんと夢野は失礼な奴だよな」

新は口ではそう言うものの
顔は嬉しそうに笑っている。

僕はとうとう我慢の限界に達して
羽菜ちゃんの顔を両手で包み込むと
無理矢理、自分の方へ向けた。