年下御曹司の箱入り家政婦

そこには
「やっぱり一人は寂しいから来ちゃった」
と、バスタオルを体に巻いた関さんの姿があった。


「やだぁーあんまりジロジロ見ないでよ」

関さんは俺たちの視線に頬を赤らめた。

俺たちの顔が一斉に引きつる。

「お前、後で一人で入れと言ったよな?」

新は怒りのはらんだ声で言った。


「だって〜、一人じゃつまんないだもん」


関さんは拗ねたように頬を膨らませた。

全然、可愛いくない...

僕達はウゲッと顔を歪めた。

しかし、関さんはお構いなしに
湯船に足をつけて入ってくる。


「俺は十分満喫したから
お前らはゆっくり入れ」

新は関さんが入ってくるや否や
ザバッと立ち上がった。

「僕もそろそろのぼせそうなんで」

僕も新に続いてそそくさと
湯船から出る。


そして

「俺も...」


斗真が僕に続いて立ち上がろうとしたとき

「もぉ、少しくらい付き合いなさいよ!」

その腕を関さんにガシッとつかまれた。



「いや、もう俺も十分満喫したんで」


「一人じゃ寂しいのっ
色々教えてあげるから」

関さんは斗真の手を引っ張って
隣に座らせると斗真の肩をガッチリ掴んで
逃げるのを阻止した。


「結構ですっ、櫻介助けてっ」


僕はジタバタもがいている斗真を横目に
「斗真、宴会までには戻れよっ」
一言だけ告げると逃げるように
その場から立ち去った。



その後、斗真がどうなったかはわからない



関さんはおねえ言葉ではあるが
かなりのマッチョだ。

あれを振り切るにはかなりの至難の業が
必要だろう。

「まあ、きっとあいつは大丈夫だろ..」

僕は一人そう呟くと
なかなか戻ってこない斗真に
しびれを切らして宴会場へと向かった。