年下御曹司の箱入り家政婦

新は湯船にゆっくりと肩まで浸かると
「あ〜」と気持ちよさげに顔を歪めた。
 
そして、新は湯を手ですくうと
バシャッと顔を洗う。
その時、曲げた腕に筋肉とともに
血管がグッと浮かび上がった。

こいつよく見ると、 
胸板がかなり厚いし 
腕も周りもかなり太くてたくましい。

「新は、普段鍛えてるのか?」

新は僕の急な問いかけに一瞬「あっ?」と
疑問の表情を浮かべた。

しかし、僕の視線が
自分の上半身に向けられていることに
気づいて
「あぁ、まぁ週に2回、
ジムに通うのが日課だから」
と、当たり前というように呟いた。


僕も大学時代はスポーツしてたから
そこそこ筋肉はある方だと
思ってたけど...

悔しい...

認めたくはないが、負けてる...

でもそれも今だけだ!

あんなの3ヶ月もあれば追いつける。

明日から筋トレしよう...

僕は明日からの筋トレ生活を決意する。

「それより、お前、仮にも俺のほうが年上なんだから敬語くらい使えよ。
しかも呼び捨てかよ」

新は不機嫌に眉間に皺を寄せる。

きっと、先程、
茜さんや関さんには敬語を遣って
自分にだけタメ口なのも
気に食わないのだろう。

だけど、こいつにだけは
敬語を遣いたくない。
それでなくても、
この人を見下したような態度が
好かないというのに...


「嫌だ。新に敬語を使うくらいなら
しゃべらないほうがまだマシだ」

新はそれを聞いて呆れたように息を吐く。

「まあいい。
じゃあ、ここからは俺の質問だ。
お前は夢島とは
いつからどういう関係なんだ?」

今度は新のほうが問いかけてきた。