年下御曹司の箱入り家政婦

僕達が浴場に着くと、まだ早い時間帯だからか先客は見当たらず貸切状態だった。

僕は早々に体を洗い流し
少しだけ内風呂を満喫すると
すぐさま露天風呂に向かった。

露天風呂もまた人の姿はなく
貸切状態だ。

「うぉ〜気持ちいい」

露天風呂に浸かるとあまりの気持ちよさに
唸り声を上げてしまう。

斗真も新もまだ露天風呂に
入ってくる気配はない。

お風呂は一人でのんびり  
浸かっていたいから
二人共、来なくていいのに...

あっ、でも羽菜ちゃんとだったら
一緒に露天風呂入りたい

雪のようなあの白肌は見てるだけで
癒されること間違いない

そして出来ればイチャイチャしたい

あ〜、やばい、想像したら鼻血出そう...


僕は露天風呂の岩肌に身を預け
あらぬ想像を膨らませる。



そこへガラガラっと
引き戸が勢いよく開いて

「ヒャッホー!!
貸し切り貸し切りー♪♪」

と、テンションMAXの斗真が叫びながら
露天風呂に飛び込んできた。

ザブンっと水飛沫が僕の顔に掛かり
先程の幸せな気分が一瞬にして
苛立ちへと支配される。

「露天風呂に飛び込むなんて
お前はガキかっ(怒)」

僕は頭に乗せていたタオルを
斗真に向けて投げつけた。

「せっかく貸し切り状態なんだから
いいじゃん!
どうせ、ニタニタして羽菜さんの
裸でも想像してたんだろ?」

斗真はフンッと鼻を鳴らしながら
タオルを投げ返してくる。

斗真の分際でムカつくっ

だけど
図星だから言い返すことが出来ない


すると、
「また騒いでんのか?」
とあきれた様子で新が入ってきた。

この時点で僕の癒しのパラメータは
苛立ちへと急速に傾いた。