side櫻介

早まったかもしれない。

「や~ん。こんな可愛い子と同じ部屋なんて、嬉しい♪♪」

部屋に着いた僕は
腕にべったりとくっついてくる
オカマもとい関さんに初めて
自分の選択を後悔した。

「すいません。僕そっちの気ないんで...」

そう言って絡みつく腕を引き剝がす。

「初めはそんなものよ。
きっとそのうちこっちの世界に
はまるわよ。」

しかし、再び関さんは
僕の腕に絡みついてくる。

僕は全身の毛がゾワッと逆立った。


「残念ながら僕はハマりません。
なぜなら、女だろうが男だろうが
羽菜ちゃん以外、皆ジャガイモなんで!」

僕は今度は勢いよく関さんの
手を振り払うと
きっぱりと宣言した。

しかし、関さんは
「きゃー、そんなとこも可愛い♪」と
乙女の顔になっている。



あ~、、面倒くさい...

僕はなげやりに天を仰いだ。


すると、斗真は
「櫻介、
あっちの世界に踏み入れてみろよ~」
と迫られている僕を
楽しそうにいじってくる。

それが余計に腹ただしい。

「あっ、そうだ。
こいつ童貞(・・)なんで差し上げます。
色々、教えてやってください」

僕は笑っている斗真の肩を掴んで
茜ちゃんの時と同様に斗真を生贄に差し出した。