年下御曹司の箱入り家政婦

「あっあのね、、」

私は一瞬言い訳を考えたが

「ご、ごめんなさい...」

その氷のような眼差しに
観念したように謝った。


「梓さんと旅行じゃなかったの?なんでこいつと一緒にいるの?」

櫻ちゃんは苦しそうに問いかけた。

「ち、違うの!!実は今日社員旅行で、
皆で来てるのッ。新さんとは今たまたま二人なだけで...」


「じゃあ、たまたま見つめあって、たまたま羽菜ちゃんに触れてたの?」

櫻ちゃんは痛いところをついてくる。

「それはッ...」


私が言葉を詰まらせると、櫻ちゃんは私の腕を掴むと
強引に自分の方へ引き寄せた。

「羽菜ちゃんに勝手に触れないでください」

櫻ちゃんは威嚇するように新さんを睨みつける。

すると、今度は新さんの手が伸びてきて
櫻ちゃんとは反対側の私の腕を掴んだ。

「夢島はお前のモノじゃない」

そして険しい顔で櫻ちゃんを睨みつける。

櫻ちゃんはその新さんが触れている
私の腕を見るやいなや、
こめかみにピキピキと青筋が浮かびあがる。


「それに今、口説いてるところだったんだから、邪魔しないでくれるかな?」

新さんは続けざまに言うと
わざと櫻ちゃんを 
挑発するかのように
蔑んだような笑みを向けた。

ひぇ~、新さんまた火に油を注ぐことを!


新さんの言葉に櫻ちゃんの眉間のしわが
ますます深く刻まれる。

「ちょっ、ちょっと、二人とも離して...」


しかし私の訴えもむなしく
私を間に挟んで二人の睨み合いは続く。

まるで蛇とマングースばりの睨み合いに
私はただ戸惑うしかない。