年下御曹司の箱入り家政婦


確かにこんな可愛らしい
ネックレスを付けた新さんは
豚に真珠とまではいかないまでも
違和感が大アリだ。

私がクツクツと笑っていると
「おい、そこまで笑うか?」
新さんは少し不服そうに言う。

「すみません。
つい想像してしまって...」

私は目尻に溜まった涙を
指で拭いながら謝罪した。

「想像するなよ」

「フフッ、じゃあ有り難く頂きます。」

私がお礼を言うと
新さんは満足げにコクリと頷いた。

「あれっ?そういえば茜ちゃんは?」

「ああ、あいつなら友達だかに
お土産買い忘れたかなんかで
先に行ってるって。」

「あっ、なるほど。」

「俺達もそろそろバスに戻るか?」

「そうですね」

私と新さんはガラス館を出ると
再び来た道を歩く。

「でもこのガラス玉、綺麗ですよね...
まるで海の底から輝く水面を眺めているみたい。」

私は首に掛かったガラス玉に目を落として
呟くと、隣で歩く新さんに笑顔を向けた。


「俺はキラキラ輝いてて
夢島の瞳みたいだなって思ったんだけど」

新さんは歩きながら優しく微笑む。

「な、なんでそういう恥ずかしいこというんですか!!」

「夢島を落としたいから。」

新さんの言葉に私はボッと火を噴いたように
赤くなった。

それを見て新さんはフっと目を細めた。

「まあそれもあるんだけど、
本当にそう思ったんだ。
まるで宝石みたいに綺麗で
ずっと見つめていたくなるなって...」

新さんはそう言って立ち止まると
優しい眼差しをこちらに向ける。

「あ、あのっ」

私は言葉を詰まらせると
新さんの眼差しに捕まったまま
その場から動けなくなった。