年下御曹司の箱入り家政婦

side羽菜

動物園を後にした私達は
温泉街をブラブラと散策していた。

当然、私は今頃、櫻ちゃんが私を連れ戻すべくこちらに向かっているだなんて夢にも思っていなかった。
この後、大変な騒ぎが待っているというのに
この時の私は呑気に茜ちゃんとお土産屋さんでお土産を物色していた。


「あっ、羽菜さん!
このクッキー美味しいですよ♪」

茜ちゃんは試食のクッキーを食べながら
私に向かって手招きしている。

「ほんと?
生チョコレートのクッキーか
名前だけでも美味しそうだね。」

私はどれどれと一つ摘んで食べた。

「ほんとだ!これ美味しい!
一つ買っていこう!!」

チョコレート好きの櫻ちゃんも
喜びそうだ。

私はクッキーの箱を手に取ると
買い物カゴにそれを放り込んだ。

「でしょでしょ!!私も買います!!」

茜ちゃんは余程気に入ったのか
二箱も買い物カゴに入れている。

えーと、お酒好きのおじ様には地酒がいいかな...
おば様は漬け物が好きだから漬け物の詰め合わせを買って...
梓は意外に甘い物苦手だから、
海老のお煎餅が良いかも...
あっ、そういえば櫻ちゃんアンコも大好きだからお饅頭も買っていこう...
むむっ、ベイクドチーズケーキも櫻ちゃん目がないのよね。


結局、私の買い物カゴは皆へのお土産で
一杯になった。
お店を出る頃には私も茜ちゃんも
両手一杯の買い物袋をぶら下げていた。