年下御曹司の箱入り家政婦

「そういえば、羽菜さん今日から
梓さんと旅行だろ?
お前よくゆるしたよね。」

斗真はすでに何度も羽菜ちゃんの飲み会や
合コン会場に一緒に乗り込んで行っている為、僕の羽菜ちゃんに対する執着心を嫌と言うほど知っているのだ。。

「実は、羽菜ちゃんには言ってないけど
この出張先から羽菜ちゃんが泊まる温泉宿、近いんだよね。
だから、二人をびっくりさせようと思って。」

僕は斗真にふふんと笑みを浮かべると
前の信号が赤に変わったのを確認して
車を停車させた。

「ええっ!!羽菜さんと梓さんと温泉ッ!!
最高じゃないか」

斗真はさっきまで文句をいってたのが
急にはしゃぎだした。

「さすがにどこの旅館に泊まるかなんて聞いたら怪しまれるから
旅館は別々だけど。」

俺はそう言いながら、羽菜ちゃんに今、どこにいるのか聞くために
携帯に電話を掛けた。
しかし、充電が切れているのか、羽菜ちゃんの携帯は繋がらなかった。

俺は携帯を持ったまま、首を傾げる。

「マジかっ、羽菜さんと梓さんの浴衣姿、見たかったのに...
二人の浴衣姿...想像しただけで鼻血出そうだ」

鼻を押さえる斗真に俺は「梓さんはいいけど、羽菜ちゃんの浴衣姿は想像するな」くぎを刺す。

「はいはい。」

斗真は適当にあしらう。

「しょうがない。チェックインまで少し時間あるし、折角だから、温泉街でも散策するか」

「いいねー。美味しいもん沢山食べようぜ」

この時の俺はこの後、大修羅場が待っていることを夢にも思っていなかった。