年下御曹司の箱入り家政婦

「でも僕だって今日は怒ってんだよ?
羽菜ちゃん、僕の手を振り払ったじゃない?
どうしてなの?」

今度は僕の番だ。

「そ、それは...」

羽菜ちゃんは言いにくそうに言いよどむ。


「うん。」


「...何でもないわ。」


「そんなこと言って僕が納得しないのは分かってるよね?
羽菜ちゃん今日はずっと変だった。
急に怒ったような態度取ったり、そうかと思ったら悲しそうにしてたり
とにかく変だよ。」

言いにくそうに困った表情を浮かべる羽菜ちゃんに
僕は「ゆっくりでいいから話して」と優しく諭す。

「だって...」


「だって?」


「だって、櫻ちゃんが蘭さんのこと呼び捨てにするから...」


「えっ?それだけ?」

羽菜ちゃんはコクリと頷いた。

僕は羽菜ちゃんからの予想だにしなかった解答に
目をしばたかせる。

「そうよ...それだけなんだけど...」


羽菜ちゃんは自分が言ってることを分かっているんだろうか?

それじゃあまるで僕と蘭に嫉妬したと言っているようなものではないか。