年下御曹司の箱入り家政婦

「皆の前で勝手にキスされて
針のむしろの中に取り残された私はどうなったと思う?」

「どうなったの?」

純粋に疑問をぶつけた僕を羽菜ちゃんはギロリと睨み返した。


「ごめんなさい」

僕はすぐさま謝る。


「櫻ちゃんと違って私は人前でキスとかハグとか
絶対嫌なの」

「はい..重々承知してます」

「今後一切人前であんなこと止めて。」

「人前じゃなかったらいいの?」

喜々として身を乗り出した僕に羽菜ちゃんは
怒気をはらんだ瞳を向ける。

僕はハッと言葉の選択を誤ったことに気づいて縮こまる。

「何でもありません...

神に誓って

今後一切、人前では(・・・・)キスしません」


もう一度、頭を下げる僕に

羽菜ちゃんは「当たり前です」とぴしゃりと返した。