年下御曹司の箱入り家政婦

side櫻介

「あ~、あの男ほんとむかつくな」

僕はあれから仕事を終わらせて
帰りの車の中で沸々と込み上げる怒りを
必死に(こら)えていた。

あの男が羽菜ちゃんに触れただけで
全身の毛が逆立つようにだった。

その上、あの余裕ぶった態度が気に食わない。

まあ、最後は余裕面した鼻をへし折ってやったから良しとしよう。

僕が羽菜ちゃんにキスした後のあの男の
顔を思い出し、いい気味だと爽快な気分に浸る。


その時、助手席に投げてあったスマートフォンからメールの着信の音楽が流れた。

あっ!!

この“星に願いを”の着信音は
羽菜ちゃんからだ。

僕は早く内容を確認したくて
ソワソワしながら車が停車できるスペースを
見つけるとそこへ急いで車を止めた。


羽菜ちゃんからメールなんて何だろう?


僕はニタニタしながらメールを開く。



“帰ったらすぐに私の部屋に来なさい”



その絵文字もなにもない素っ気ない文章に
羽菜ちゃんの怒りが伝わってくるようだった。

どうしよう...

これは帰ったら絶対怒られる...

僕は先に一言、

“ごめんなさい。直ぐ帰りますm( TДT)m”

謝りのメールを送ると
どうにか羽菜ちゃんを
なだめる方法を考えながら車を発進させた。