「羽菜ちゃん、書いたよ」
櫻ちゃんは不機嫌に呟くと
バインダーを差し出した。
「あっ、うん。ありがとう」
私はその差し出されたバインダーを掴むが
櫻ちゃんはバインダーを持つ手を離してくれない。
「櫻ちゃん?」
「帰ったら話があるから...」
櫻ちゃんはムスッとした顔で言った。
その不満げな表情に
私は今日も長期戦を覚悟する。
「はい...」
諦めを含んだ声色と共に頷くと
櫻ちゃんは納得してバインダーから手を離した。
取り敢えずこの不穏な状況から
いち早く脱したい。
「櫻ちゃん、今日は来てくれてありがとね。」
私は無理矢理、笑顔を作って
感謝を伝える。
「もちろん。
羽菜ちゃんの為にまた来るよ」
櫻ちゃんは敢えて私の名前を強調する。
「あー、うん。ありがとう。
斗真くんと蘭さんもまたいらしてね。」
「はい!また来ます!」
斗真くんは飴玉、数個を手に笑顔を向ける。
「・・・・・・」
蘭さんは無言で目も合わせようとはしてくれない。
「じゃあ、僕達仕事に戻るから
はなちゃんも頑張ってね!」
櫻ちゃんは私に笑顔で手を挙げると
こちらに背を向けドアに向かって歩き出した。
私はホッと安堵の息を吐く。
「あっ、そうだ。忘れてた!」
しかし、櫻ちゃんは何か思い出したように
立ち止まった。
そして、クルリと踵を返すと
こちらに戻ってくる。
えっ?忘れ物?
レシートは渡したし、
カードだからお釣りはないはず...
櫻ちゃん達が座っていたテーブルに目を向けるが、置き忘れているようなものは見当たらない。
「櫻ちゃん、何を忘れたの?」
私が首を傾げていると、櫻ちゃんは
レジカウンターの前で立ち止まった。
そして、
「羽菜ちゃん、ちょっとちょっと...」
小声でこいこいと手招きしている。
「えっ?なにっ?」
私は小声でしゃべる櫻ちゃんに
聞こえないとカウンターから身を乗りだして
耳をかたむけた。
すると、不用意に顔を近づけた私に
櫻ちゃんはニヤリと微笑んだ。
そして、
「あのね...」と小声で呟くと
チュッと私の頬にキスをした。
「なっ!?」
私はびっくりして目を見開くと
頬に手を当て
櫻ちゃんから距離を取った。
「なっ、なにを...!?」
皆の前でキスをされ
驚きと羞恥で顔が熱くなり言葉がでない。
「それじゃあ、羽菜ちゃんご馳走さま」
固まったままの私に
櫻ちゃんは満足げに舌なめずりしてみせた。
そして、チラリと新さんに視線を移した櫻ちゃんは
挑戦的な笑みを向けた。
新さんは怒りを堪えるように
グッと言葉を詰まらせる。
そして、櫻ちゃんは
呆然と立ちすくむ私達を残して
平然と店から出て行った。
櫻ちゃんは不機嫌に呟くと
バインダーを差し出した。
「あっ、うん。ありがとう」
私はその差し出されたバインダーを掴むが
櫻ちゃんはバインダーを持つ手を離してくれない。
「櫻ちゃん?」
「帰ったら話があるから...」
櫻ちゃんはムスッとした顔で言った。
その不満げな表情に
私は今日も長期戦を覚悟する。
「はい...」
諦めを含んだ声色と共に頷くと
櫻ちゃんは納得してバインダーから手を離した。
取り敢えずこの不穏な状況から
いち早く脱したい。
「櫻ちゃん、今日は来てくれてありがとね。」
私は無理矢理、笑顔を作って
感謝を伝える。
「もちろん。
羽菜ちゃんの為にまた来るよ」
櫻ちゃんは敢えて私の名前を強調する。
「あー、うん。ありがとう。
斗真くんと蘭さんもまたいらしてね。」
「はい!また来ます!」
斗真くんは飴玉、数個を手に笑顔を向ける。
「・・・・・・」
蘭さんは無言で目も合わせようとはしてくれない。
「じゃあ、僕達仕事に戻るから
はなちゃんも頑張ってね!」
櫻ちゃんは私に笑顔で手を挙げると
こちらに背を向けドアに向かって歩き出した。
私はホッと安堵の息を吐く。
「あっ、そうだ。忘れてた!」
しかし、櫻ちゃんは何か思い出したように
立ち止まった。
そして、クルリと踵を返すと
こちらに戻ってくる。
えっ?忘れ物?
レシートは渡したし、
カードだからお釣りはないはず...
櫻ちゃん達が座っていたテーブルに目を向けるが、置き忘れているようなものは見当たらない。
「櫻ちゃん、何を忘れたの?」
私が首を傾げていると、櫻ちゃんは
レジカウンターの前で立ち止まった。
そして、
「羽菜ちゃん、ちょっとちょっと...」
小声でこいこいと手招きしている。
「えっ?なにっ?」
私は小声でしゃべる櫻ちゃんに
聞こえないとカウンターから身を乗りだして
耳をかたむけた。
すると、不用意に顔を近づけた私に
櫻ちゃんはニヤリと微笑んだ。
そして、
「あのね...」と小声で呟くと
チュッと私の頬にキスをした。
「なっ!?」
私はびっくりして目を見開くと
頬に手を当て
櫻ちゃんから距離を取った。
「なっ、なにを...!?」
皆の前でキスをされ
驚きと羞恥で顔が熱くなり言葉がでない。
「それじゃあ、羽菜ちゃんご馳走さま」
固まったままの私に
櫻ちゃんは満足げに舌なめずりしてみせた。
そして、チラリと新さんに視線を移した櫻ちゃんは
挑戦的な笑みを向けた。
新さんは怒りを堪えるように
グッと言葉を詰まらせる。
そして、櫻ちゃんは
呆然と立ちすくむ私達を残して
平然と店から出て行った。



