「ライバル登場ね」
私が厨房へ戻ると
関さんがニヤつきながら
新さんを肘で小突いていた。
新さんは「うるさい、おかま」と
言いながら関さんのスキンヘッドの頭を
容赦なくヘラでペチペチ叩いている。
いつもならそんな二人のやり合いを
笑って見ていられるのに
今は心の中がざわついて
それどころではなかった。
私はモヤモヤした気持ちのまま
茶色のチョコペンを手に取ると
楕円型のホワイトチョコプレート上に
HappyBirthdayの文字を書き始めた。
しかし、文字を書きながらも
頭の中では別の事を考えてしまう。
蘭...
普通、会社の同僚を下の名前で
呼ぶだろうか?
相当、親しい間柄でないと呼ぶことはないと思うんだけど。
なぜかムカムカと苛立ちが
込み上げてきた。
そして、思わず手に力が入りチョコレートが
ぐちゃっと飛び出した。
ハッと気付いた時には
Birthdayの文字が潰れてしまっていた。
私は仕事中に何を考えてるのよ。
自分が情けなくて思わずため息を吐いた。
そして、もう一度書き直そうと
新しいチョコプレートを用意していると
再びオーナーが厨房に顔を出した。
「羽菜ちゃん、さっきのお客さんが羽菜ちゃんにオーダー取ってほしいって言ってるんだけど?」
そう言いながらオーナーは苦笑いしている。
「えっ!?
櫻ちゃんそんなこと言ってるんですか!!」
ピークの時間帯は過ぎてるとはいえ、
仕事中なのに...
オーナーにまで我が儘を言うなんて
後でお説教だ。
「いいよ。
せっかくわざわざ来てくれてたんだし」
オーナーは私の心中を察したのか
目を細めて宥めるように言った。
「すみません、オーナー。
ちょっとオーダー取ってきます」
私はオーナーにペコリと頭をさげると
急いでホールへと向かった。
私が厨房へ戻ると
関さんがニヤつきながら
新さんを肘で小突いていた。
新さんは「うるさい、おかま」と
言いながら関さんのスキンヘッドの頭を
容赦なくヘラでペチペチ叩いている。
いつもならそんな二人のやり合いを
笑って見ていられるのに
今は心の中がざわついて
それどころではなかった。
私はモヤモヤした気持ちのまま
茶色のチョコペンを手に取ると
楕円型のホワイトチョコプレート上に
HappyBirthdayの文字を書き始めた。
しかし、文字を書きながらも
頭の中では別の事を考えてしまう。
蘭...
普通、会社の同僚を下の名前で
呼ぶだろうか?
相当、親しい間柄でないと呼ぶことはないと思うんだけど。
なぜかムカムカと苛立ちが
込み上げてきた。
そして、思わず手に力が入りチョコレートが
ぐちゃっと飛び出した。
ハッと気付いた時には
Birthdayの文字が潰れてしまっていた。
私は仕事中に何を考えてるのよ。
自分が情けなくて思わずため息を吐いた。
そして、もう一度書き直そうと
新しいチョコプレートを用意していると
再びオーナーが厨房に顔を出した。
「羽菜ちゃん、さっきのお客さんが羽菜ちゃんにオーダー取ってほしいって言ってるんだけど?」
そう言いながらオーナーは苦笑いしている。
「えっ!?
櫻ちゃんそんなこと言ってるんですか!!」
ピークの時間帯は過ぎてるとはいえ、
仕事中なのに...
オーナーにまで我が儘を言うなんて
後でお説教だ。
「いいよ。
せっかくわざわざ来てくれてたんだし」
オーナーは私の心中を察したのか
目を細めて宥めるように言った。
「すみません、オーナー。
ちょっとオーダー取ってきます」
私はオーナーにペコリと頭をさげると
急いでホールへと向かった。



