関さんに知られたら、これから冷やかして
くるだろうし仕事もやりにくくなるのに...
私は新さんをジロッと睨んだが
新さんはフイッと知らん顔を決め込んでいる。
「やーん、新ちゃんよく言ったわ。
それでこそ男よ!私も応援しちゃう」
関さん、なんか張り切ってるし...
応援しなくていいです...(涙)
「いや、応援は遠慮しておく」
新さんは淡々した口調でそれを拒否する。
「新ちゃん、相変わらず可愛いくないわね」
「お前が間に入ると
上手くいく気がしない」
「何を言ってるの!?
百戦錬磨の私に向かって(怒)
今の恋人も片手じゃ足りないわ。
新ちゃん、私の助言を聞かないとあとで後悔して泣くことになるわよ?」
えッ!
片手じゃ足りないって
関さん恋人何人いるの?
それに男の人?それとも女の人?
どっち何だろう...
関さん、謎が多すぎるわ
羽菜の好奇心がウズウズと疼き出す。
「関の恋人ってどうせ小汚いオッサン達だろ?夢野とは大違いだ」
小汚いオッサン....って
やっぱり関さんの恋人は男の人なの?
「何よ、小汚いオッサンって?
やっぱり私の恋愛について興味あるの?
知りたいなら教えてあげようか?」
「いや、興味ないからいい」
新さんはそう言うが、
私は少し聞いてみたいような気がする...
「関さんの恋人って...」
私が関さんに聞こうとしたその時、
「羽菜ちゃん羽菜ちゃん」とオーナーが
ホールへと繋がる出入口から顔を出した。
「オーナーなんでしょう?」
今、関さんの恋人のについて聞こうとしている大事なところなのですが...
「羽菜ちゃんにお客さんだよ」
オーナーは親指を立ててクイクイと
ホールを指さしている。
「お客さん…?誰だろう?」
私は後ろ髪を引かれながらも
ホールへと足を進めた。



