その日は通常の1.3倍の売り上げを出してさらに機嫌がよかった。
買い取りの服を数着選んでいるとジーンズのお尻のポケットに入った携帯が振動して着信を伝えた。



「もしもし」

『…………予定は入れるなよ』

「もちろんよ」

『仕事は?』

「終わったわ」

『メシ食い行くぞ、迎え行く』

「わかったわ」

『30分くらいかかる、なら』



単調なやり取りでも今は気にならないくらい嬉しかった。

忙しい合間を縫って顔を合わせる時間を作ってくれる翔太が今はとても待ち遠しかった。



ご飯を食べたあと、あたしを家に送るとまた仕事に戻った翔太に不満はないとは言い切れないけれど、連休の具体的な話が出たことで淋しさはなかった。