翌朝、私は出勤とともに呼び出された。
相手は消化器科の部長。
すらっと細身で、私から見てもかっこいい50代の女性だ。
「座って」
管理職である部長の部屋は、10畳ほどのスペースにデスクと応接セットが置かれている。
窓が大きくて、今は日差しが差し込んでかなり明るい。
「昨日は大変だったわね」
思いのほか優しい表情。
「いえ。申し訳ありませんでした」
やはり私が悪かったのだろうと、頭を下げた。
「あなたは、今いくつ?」
突然年齢を聞かれ、驚いて顔を上げる。
「えっ、24歳です」
「付き合っている人はいるの?」
「・・・」
「ごめんなさい。プライベートよね」
「付き合っている人は、いません」
何も隠すことはないと素直に答えたら、向かいあってソファーに座った部長が、少しだけ表情を引き締めた。
「森先生とは?」
「えっ?」
「森先生と付き合ったりは?」
真っ直ぐに私を見る目。
「いいえ。そんな事はありません」
力強く否定した。
「そう」
部長がホッとしてる。
「森先生がこんなトラブルって、珍しいから」
トラブル?
「昨日の件で、看護局と外科部長からクレームがあったの。本来私を通すべき所を直接直属の上司に連絡したことがまずかったわ。もちろん、森先生には注意しました」
「違います。私が悪いんです」
思わず言い返す私に、部長は不思議なそうな顔をした。
相手は消化器科の部長。
すらっと細身で、私から見てもかっこいい50代の女性だ。
「座って」
管理職である部長の部屋は、10畳ほどのスペースにデスクと応接セットが置かれている。
窓が大きくて、今は日差しが差し込んでかなり明るい。
「昨日は大変だったわね」
思いのほか優しい表情。
「いえ。申し訳ありませんでした」
やはり私が悪かったのだろうと、頭を下げた。
「あなたは、今いくつ?」
突然年齢を聞かれ、驚いて顔を上げる。
「えっ、24歳です」
「付き合っている人はいるの?」
「・・・」
「ごめんなさい。プライベートよね」
「付き合っている人は、いません」
何も隠すことはないと素直に答えたら、向かいあってソファーに座った部長が、少しだけ表情を引き締めた。
「森先生とは?」
「えっ?」
「森先生と付き合ったりは?」
真っ直ぐに私を見る目。
「いいえ。そんな事はありません」
力強く否定した。
「そう」
部長がホッとしてる。
「森先生がこんなトラブルって、珍しいから」
トラブル?
「昨日の件で、看護局と外科部長からクレームがあったの。本来私を通すべき所を直接直属の上司に連絡したことがまずかったわ。もちろん、森先生には注意しました」
「違います。私が悪いんです」
思わず言い返す私に、部長は不思議なそうな顔をした。