トントン。
ドアをノックする音。

「どうぞ」

現れたのは、桜子先生だった。

「なに?」
「先生、なんで私だけじゃなくて、みんなの上司にまで連絡したんですか?」
涙ぐみながら、詰め寄ってくる。

「なに?君は文句を言いに来たの?」
「はい。なんでそこまでするんですか?」
悔しそうに睨む桜子先生。

「帰りなさい。今は冷静に話せないでしょう?そもそも、僕に文句を言う前に自分の行動を振り返るべきだと思うよ」
冷たく言い放ってしまった。

悪いが、今はまだ優しい言葉をかけてやる気になはなれない。
それだけ俺も頭にきているんだ。

しばしの沈黙の後、桜子先生は出て行った。
それにしても、大人げないなあ・・・俺。