ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

――なのに。


莉子が隣にいるというだけで、俺の心臓はうるさくバクバクしていた。


隣にいる莉子に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい。


おかしい…。

こんなこと、これまでになかった。


莉子じゃなくたって、わからない問題を聞きに、俺のところへくる女子はいる。

だけど、そんな女子には俺の心臓はなにも反応しない。


莉子がそばにいるときだけだ。


授業中だって、気づけば前のほうの席に座る莉子を見ていたりした。


…まったく授業に集中できない。


俺…、一体どうしたんだ?



それに、休み時間のときだって――。


「なあ、悠。あいつ、莉子に近づきすぎとちゃう?」


俺の視線の先には、クラスメイトの男子と話す莉子の姿が。

その男子と莉子の距離が、妙に近いような気がした。