ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

「それにしても、…なんであんな高いところに」

「おもしろかったから、もう1回読み返そうと思って〜」

「いや、あそこに置いてる時点で、借りパクしようと思ってたやろ」


なぜ、読み終わって借りたマンガを自分の本棚にしまう必要がっ…。


俺が目を細めて莉子を見ると、慌てたように顔の前で手をブンブンと横に振る莉子。


「…そんなことないよ!それに、大河だってわたしのマンガ、借りパクしてるじゃん!」

「あれは、まだ読んでへんねん」

「何ヶ月前に貸したと思ってるの〜!?それこそ、借りパクだよっ」


確かに、莉子から借りたマンガをずっと持っていたまんまだった。


…くそっ。

そう言われたら、なにも言い返せない。



莉子は俺を押しのけると、本棚に手を伸ばした。


しかし、俺のマンガに莉子の指先が届くことはなかった。