「…そうじゃなくて!もしあれやったら、莉子もどう?」

「…え、野球部?それって、男の子だけでしょ?」

「ちゃうちゃう!野球部のマネージャーなっ」


野球部は、女子のマネージャーも募集してた。

俺たち部員のサポートをしてくれる女子なら、なんでも話せる莉子がいいなと思った。


そして、莉子は俺の誘いもあって、野球部のマネージャーとして入部することになった。



「おい、大河っ。あのコ、お前が誘ってきたんやって?」


部活の休憩中に、野球部の先輩にひじで脇腹を突つかれる。


「莉子っすか?」

「そうそう、莉子ちゃん。東京から引っ越してきたんやっけ?」

「みたいっすね」

「なかなかかわいいコやん!お前、ああいうのがタイプなんや?」

「…はっ、はぁ…!?俺、べつにそんなつもりで野球部に誘ったんじゃ――」