「ほんまやんっ。さすがに、最後の年くらい離れたかったわ〜」

「それは、こっちのセリフ。それに、悠もいっしょだしね」


今回は離れるだろうと思っていたら、またしても同じクラスになっていた。

でも、腐れ縁なのは悠も同じ。


『離れたかった』なんてことを莉子に対して言ってみるけど、実際はそんなことは思っていない。


莉子は、初めこそ消極的なのかと思っていたが、声をかけたらまったく違った。

意外と思っていることをズバズバと言うし、いっしょに話していたらなんだか清々しい気分になる。


そういうところがよかったのか、すぐに友達も増えていった。


俺も、女子の中では断トツに話しやすかったから、俺が野球部に入るとき、莉子もいっしょに誘った。


「俺、野球部に入るねんけど――」

「それは、言われなくてもわかるよ」