ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

と思ったけど――。


「…あっ」


わたしの口から、そんな気の抜けた声が漏れた。


――そういえば、思い出した。


昨日、小物を入れていた缶をひっくり返して…。


あのビー玉は、その缶に入っていたものだった。


だから、ビー玉が床に転がっていたというのも、どうやら嘘ではなさそうだ。


「でも、ビー玉でよろけるなんて、…大河って案外体幹悪いんだね」

「なんやそれ!そもそも、部屋にビー玉が転がってるなんて、だれが想像する…!?」

「てっきり、わたしと2人きりなったからって、欲情したのかと――」

「いやいや、ないないっ。俺だって、女くらい選ぶわ」

「…はぁ!?わたしだって、だれが大河なんかに――」


と軽い口喧嘩をしていたとき、部屋のドアが開く音がした。


「さっき物音がしたけど、なんかあった?」