ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

テンパったような大河が、慌ててわたしから体を起こした。


お互い心を落ち着かせるために、背中を向けて深呼吸する。


それにしても、ほんと意味わかんない…!

大河、なに考えるの…!?


「いっ…今の、なに…!?」

「…か!勘違いすんなよ!あれは、ただの不可抗力やし!」

「不可抗力〜…!?」


この期に及んで、なんの言い訳かと思っていたら――。


「…これこれ!!このせい!」


大河はしどろもどろになりながら、床からなにかを拾い上げた。


大河が手にしていたのは、中に赤い模様が入った透明で丸いもの。

それは、ビー玉だった。


「これが床に転がってたから、それを踏んづけてバランスを崩してっ…!」


わたしは、目を細めて大河を見つめる。


もう少し、まともな嘘があったんじゃ。