ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

確か、昨日はイスを踏み台代わりにして上ったんだっけ。


――すると。


「じゃあ、返してもらうからな」


後ろから声がしたと思って振り返ると、大河が軽々と一番上の棚に手を伸ばしていた。


わたしの体は本棚と大河に挟まれて、身動きが取れない状況。


だから、黙って大河を見上げることしかできなかった。


ちっ…近い。


大河と密着しそうになって、思わず背中を向ける。


「よしっ、取れた」


大河はいとも簡単に、わたしの背じゃ届かないような本棚から、自分のマンガを引き抜いた。


――と、そのとき!


「…うわぁ!」

「なにっ…!?」


突然、大河が変な声を出したと思ったら、わたしに急接近してきて――。



「…いたたっ」


わたしは、大河とぶつかった額の痛みに顔をゆがめた。