それを見送ることしかできない大河。


…3ランホームランだった。


ここにきて、相手チームに大きな3点が追加される。


その結果、ここでピッチャー交代。

大河は、ベンチへと下がったのだった。


いつも自信に満ち溢れている大河の背中が、今はとても小さく見えた。



そして、終盤。

明光学園は2点を取り返し、7ー8の1点差まで詰め寄った。


明光学園の9回の裏の攻撃。

2アウトで追い込まれてしまったけど、2塁と3塁にはランナーがいる。


どうか…ヒットが出ますようにっ。


応援席にいるすべての人が、おそらくそう願っていた。


――そして。


カキーーーーーーンッ!!


大きな音がグラウンドに響き渡る。


ハッとして目を向けると、ボールは大きく外野のほうへ飛んでいった。