なぜなら、決勝戦の相手は、明光学園と同じく甲子園出場の常連校。

去年の夏の大会も、決勝戦で当たった。


そのときは、なんとか明光学園が勝利した。

だからこそ、今年は負けないという相手校の気迫が感じられた。



そして、プレイボール。


序盤から、点の取り合いだった。

手に汗握る試合に、目が離せない。


まさか、大河がこんなに打たれるなんて…。



中盤の6回では、5ー5の同点。


大河の決め球が、ことごとく打たれているのはわかっていた。

相手は大河への対策を立てて、この試合に臨んでいる。


思うように投げることができず、大河の表情に焦りの色が見え始めているのに気がついた。



そして、6回表。


大河が投げたストレートボールは、バッドに当たった爽快な音ともに…。

外野裏のスタンド席へと飛んでいった。