ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

これまでの俺の人生は、野球しかなかったから。


だけど、そうじゃなかった。

そばに莉子がいてくれた。


愚痴を吐いて、八つ当たりするどうしようもない俺を、莉子は優しく包み込んでくれた。


俺が莉子を支えると誓ったはずが…。

莉子に支えられるかたちとなった。


そんな莉子のためにも、俺はまたレギュラーになってみせる。


そう心に決めた、高2の秋だった。



そして、俺たちは高校3年生になった。


ケガをして荒んでいた去年が嘘かのように、それから1年後の夏――。

俺は夏の大会の決勝戦で、思いきりボールを投げていた。


俺のボールを受け止めるのは、もちろん小学校のころからバッテリーを組んできた、キャッチャーの悠だ。


俺と悠は、高校3年生でともにレギュラー。

そしてバッテリーとして、決勝戦の舞台に立っていた。