ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

上目遣いで、俺を見つめる先輩。

だけど、その先輩と視線を合わせることはなかった。


なぜなら、俺は違うことを考えていたから。


さっき先輩は、俺のことを『支える』と言ってくれた。


――だけど、そうじゃない。

俺は、だれかに『支えてもらいたい』んじゃなくて、俺が『支えたい』んだ。


そう。

あの日、莉子に約束した――。


『莉子には、野球部のマネージャーとしてこれまでたくさん支えてきてもらった。やから、次は俺が莉子を支えたい。…莉子の彼氏としてっ』


どうして俺は、あのときの言葉を今まで忘れていたのだろうか。


莉子が悲しいとき、つらいとき…。

俺が支えるって、誓ったはずなのに。


今俺が向き合わなければならないのは、隣にいるマネージャーの先輩なんかじゃない。


…莉子だ!