ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

…そんなことを考えていたとき。


だれもいないはずのこの場に、足音が聞こえた。


目を向けると、それは3年生のマネージャーの先輩だった。


「…先輩。どうしたんですか?」


もう、みんな帰ってしまったというのに。


「ちょっと、大河に話したいことがあって」

「俺に…?」


…なんだろうか。

やっぱり、俺の今日の出来の悪さについてだろうか。


そう思っていると――。


「もしかしたら、気づいてるかもしれへんけど…。あたし…、大河のことが好きやねん」


思いもよらないその言葉に、一瞬ポカンとしてしまった。


『もしかしたら、気づいてるかもしれない』…?


…いや、まったく。

これっぽっちも気づいていなかった。


「実は、大河が入部したころからいいなって思ってて。後輩やのに、優しいし頼り甲斐もあるし」