ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

その日の帰り。


決勝戦で負けたというのと、3年生の先輩が引退したということがまだどこか夢のようで、俺は部室前のベンチで1人ぼうっと座っていた。


現実を受け止めきれていないのは、3年生じゃない。

俺のほうだ。


先輩たちがどれだけ声をかけてくれたとしても、あの3ランホームランが悔やんでも悔やみきれないっ…。


――そして。

あの俺の失態を、きっと悠も莉子も見ていた。


この大会が終わるまでは野球に専念すると決めて、莉子との関係を曖昧にして…。

結果、負けてしまった。


…莉子に合わせる顔がない。


それに、こんな情けない俺を見て、きっと莉子は愛想を尽かせたはずだ。


『莉子のことだけは…もう負けたくないっ』


思い出される…悠の言葉。


もしかしたら今頃、悠と莉子は――。