次の日。

決勝戦当日。


目覚めは…、最悪に悪かった。


昨日はなかなか眠れず、無理やりなんとか寝たが、眠りは浅かったと思う。

そのせいで、気分もスッキリしない。


でも、スッキリしないのは眠気じゃなくて、胸の中のモヤモヤ感だった。



決勝戦の試合会場に到着。

応援の席には、大勢いる野球部員の中に悠の姿が見えた。


その他のスタンド席には、野球部員以外の一般の応援もたくさんきていた。


もしかしたら、この中に莉子もいるかもしれない。


この決勝戦は、悠にも莉子にも見られている。


もし、この試合で負けるようなことがあれば――。

悠に莉子を奪われたっておかしくはない。


そんなプレッシャーがのしかかった。


俺はできる。

俺ならできると自分に言い聞かせて、いつもポジティブなことしか考えていなかったのに…。