悠は、俺に思っていることがなにかある。


そう思って聞き出そうとしたときに、告げられたのがそれだった。


一瞬、なんのことか理解するまでに数秒はかかった。


だって――。

悠が…莉子に……?


予想もしていなかった悠の言葉に、俺はただただ驚くことしかできなかった。


そして、初めて聞かされた。

悠は、中1のころから莉子のことが好きだったということを。


「大河が莉子のことを大事にしてくれるなら、それでいいと思ってた。…でも、悩んで苦しんでる今の莉子の姿を見たら、もう大河には任せらへん」


莉子が…、悩んで苦しんでいる?

ケンカしたまま、俺のことをまだ怒ってるんじゃなくて…?


「もしかして、俺が野球ばっかやから――」

「そんなんとちゃうわ。それすらもわかってへんなんて、…彼氏として失格やで」