ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

――と思っていたら。


「…あーーーーーっ!!」


急にそんな大きな声を出され、しかも指までさされた。


いきなり、なに…!?

関西人、…こわすぎなんだけど!


「だれ、このコ?」

「初めて見るけど、大河の知り合い?」


ほら。

周りにいる男の子だって、ポカンとしている。


わたしだって、予想外の展開に動揺するしかない。


「もしかして、イヤホンのコとちゃう!?」


…へ?

『イヤホンのコ』…?


「…あっ、ほんまやん!この間のコやんっ」


隣にいた男の子も、どうやらわたしを知ったような口ぶりだ。


「俺!俺!…覚えてへん!?」

「…いや。ちょっとよくわからないんですが…」

「…あ、そっか。まぁいいや!それよりも、これずっと返さなあかんって思ってて」


そう言って、男の子は大きなエナメルバッグのポケットから、なにかを取り出した。