中学3年生の秋。

わたしは、事故で両親を亡くした。


悲しみに暮れる毎日に、手を差し伸べてくれたのが…大河だった。


お父さんお母さんが亡くなったことはどうしようもないことなのに、それを大河にぶつけて、みっともない自分を見せつけてしまった。


しかし、大河はそんなわたしを優しく包み込んでくれた。


『俺、莉子のことが好きやねん』


そう気持ちを伝えてくれて。


そこで、ようやくわたしも大河への気持ちに気づくことができた。


『わたし、大河のことが好きみたい』


こうして、不器用同士なわたしと大河は付き合い始めたのだ。



わたしは、東京の高校を受験することをやめ、こっちで進学先を探し始めた。


わたしの家族は、もうおじいちゃんとおばあちゃんしかいない。

だから、これからもいっしょに暮らしたくて。