ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

「莉子がどうしても責任を感じるなら、俺もいっしょに背負うから。もう、莉子のそんな顔は…見たくないっ」

「…大河」


俺は、莉子のこぼれ落ちそうな大粒の涙を親指で払う。


「莉子がいいひんくなるって考えただけで、…おかしくなりそうやった」


莉子の前では強がっていたけど、本当は莉子と離れるのがいやでいやで仕方がなかった。

毎日朝がくるたびに、それが莉子との別れのカウントダウンのように感じた。


このまま、終わりのない中学3年生が続けばいいのにとさえ思った。

そうしたら、ずっとずっと莉子といっしょにいられるのにって。



「やから、もしここにいる意味がないと思うなら、…俺のためにここにいてほしいっ」

「…大河、それって――」

「ここまで言っても、まだわからん…?」


俺は、莉子がそばにいないとダメなんだ。