ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

「悠…。今、莉子の声聞こえへんかった?」

「え、…莉子?そんなはずないやろ〜」


ここは、たくさんの車が行き交う大通り。

雑音だらけで、隣にいる悠の声ですら聞き取りづらい。


――でも。

確かに、莉子の声が聞こえた。


…ほらっ、また。


俺は気になって、あたりを見回す。


しかし、人通りも多くてごちゃごちゃしていて、特定の人物を探すだけでもひと苦労だ。


そんな中で――。

俺は…見つけたっ。


交差点の反対側で、膝に手をついて息を切らしている莉子の姿を。



「…悠!莉子やっ!」

「は…!?どこにっ?」

「あそこ!」


俺は、交差点を対角線上に指をさす。


そして信号が青に変わると、すぐさま莉子のところまで自転車を漕いだ。



部屋着姿に、サンダルの莉子。