ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

「そうやな」


莉子のおばあちゃん家からの帰り道、悠とそんな話をしながら自転車をこいだ。

不思議と、自転車のペダルがいつもより重たく感じる。


「悠、フラペチーノ3つとも渡したやんな?」

「ああ。なんかマズかった?」

「ううん。べつにいいんやで」


莉子が出てきてくれたならいっしょに飲もうと思って、3つ買ったフラペチーノ。

でも、莉子がいないのなら…いらない。


莉子が学校を休んで、2週間。


まさか、このまま学校にこないつもりじゃ…。

そんなことも頭をよぎった。



大通りの交差点を渡ろうとしたところで、ちょうど信号が青から赤に変わった。

悠とは無言のまま、信号が変わるのを待つ。


――すると。


「…大河!…悠!」


かすかに、そんな声が聞こえた。

…ような気がした。