ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

それは、十分承知している。


それでもいいから、莉子の顔をひと目でも見たかった。


だから、俺と悠は放課後、莉子のところへ行くよりも前に、ある場所へと向かったのだった。



――ピンポーン


莉子のおじいちゃんとおばあちゃんの家のインターホンを押した。


すると少しして、おばあちゃんが玄関のドアを開けた。


「は…はじめまして。俺たち、莉子さんと同じクラスの友達なんですけど…」

「…あら、莉子の?」

「はい。それで、今日は莉子さんに渡したいものがあって――」


そう言って、莉子を呼んでもらうようにお願いしてみた。


しかし、戻ってきたのはおばあちゃんだけで、莉子の姿はなかった。


「せっかくきてもらったのに、ごめんなさいね…。あのコまだ、だれにも会いたくないみたいで…」