ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

わずかな時間の間に一変してしまった莉子に、俺は声をかけることすらできなかった。


そのあと、莉子は教室に戻ってくることはなかった。


終礼は副担任の先生がして、莉子は『家庭の事情で早退した』ということしか聞かされなかった。



終礼後。


「莉子、どうしたんだろうな?」

「ああ…」


悠といっしょに、降りしきる雨の様子を教室から眺めていた。


【なんかあった?】


莉子にそうメッセージを送ろうとした。


…だけど結局、送信ボタンは押せなかった。


あの莉子の様子を見たら――。

ただ事ではないのは、なんとなく察しがついたから。


しかし、それがなんであるのかは想像がつかなかった。


まさか、あんなことになっていただなんてっ…。



次の日。

莉子は学校にこなかった。