ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

英語担当の先生だって、驚いた顔をして目を向けている。


「授業の途中で…すみません。…桜庭、ちょっといいか?」

「は…はいっ」


何事かと思ったら、なぜか先生に呼び出されたのは莉子だった。


莉子はそのまま、廊下へ出ていった。


…莉子のヤツ、なにかやらかしたか?


そう思って、斜め前のほうの座席に座っている悠と顔を見合わせた。



――その数分後。

莉子が戻ってきたと思ったら、その顔は顔面蒼白そのものだった。


まるで魂が抜けたような…。

心ここにあらずといったようだ。


莉子は、一番後ろの席に座っていた俺の背後を素通りして自分の席へ戻ると、机に広げていた教科書などを適当に片付け、リュックにしまった。


そして、担任の先生に連れられて、莉子はどこかへ行ってしまった。