ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

「マジで神っ」


俺と悠は、その場でハイタッチを交わした。


ほんと莉子のお母さんは、女神のように優しい。

土砂降りで帰れない俺たちを救済してくれるなんて。


だけど…。

莉子のお母さんが運転する車が、ここへくることはなかった。


なぜなら――。



今日の最後の授業である、5限の英語。

昼メシのあとだから、ものすごく眠くなる時間帯。


…よしっ!

あと10分で終わるっ。


時計に目をやり、ちょうどそう思ったときだ。


…ガラッ!!


まだ授業中だというのに、突然教室のドアが開いた。


その音に反応して振り返ると、そこにいたのは俺たちのクラスの担任の先生。


「…ハァ、ハァ、ハァ」


先生なのに廊下を走ってきたのだろうか、肩で息をしていた。


「どうかしましたか?」