ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

でも、やっぱりなにも思い浮かばなくて――。


莉子が東京に戻るのはいやだっ。


そんな子どもみたいはダダを、心の中でつぶやくことしかできなかった。


俺がそう願ってしまったせいだろうか――。

『その日』は、突然訪れた。



朝からいい天気だったはずが、徐々に黒い雨雲が空を覆い、お昼休みのときには土砂降りになっていた。


「今日って、晴れの予報じゃなかったの?」

「いや、俺は天気予報は見てへんけど」


俺はそう言って、お弁当のウインナーを頬張った。


「雨降るなんて言ってなかったから、傘なんて持ってきてないよ〜…」

「俺も」

「オレもー。しかも、夜中まで止まへんみたいやんっ」


悠は天気を調べてくれているのか、右手にはメロンパンで、左手に持ったスマホに目を移す。


…それにしても、よく降るなぁ。