ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

なるべく聞かないようにしていたはずなのに、思わず口を突いて出てきた言葉。


「うん。こっちに引っ越してきたときから、東京の高校を受験するって決めてたし」


それに対して、莉子はどこか寂しそうに笑ったのだった。



莉子のお父さんとお母さんが、「こっちの高校も受験してみたら?」という話をしているのは知っていた。

莉子のお母さんの実家が近くにあるから、莉子はそのおばあちゃん家に住んで、こっちの学校に通うこともできるとかで。


それなら、俺たちと同じ明光学園を受験してほしかった。

そうすれば、来年からもまたいっしょにいられるから。


しかし、莉子が東京に戻りたがっていたのは知っていたから…。


俺が口を挟むわけにはいかなかった。


だから言葉にはしないが、どうにかして莉子がこっちに残る方法はないかと考えたりもした。