ありがとう、ばいばい、大好きだった君へ

そう言って、俺は莉子へ優勝旗を手渡した。


その流れで、慌てたように手を伸ばした莉子だったが、想像以上に重たかったのだろか…。

優勝旗に、体のバランス持っていかれていた。


「…うおっ!危ねっ…!」


優勝旗ごと倒れそうになった莉子の体を、抱き起こすようにしてなんとか支える。


「なっ…なに大河、どさくさに紛れて体に触れてるのよ…!」

「…いやっ、そうやなくて!俺は、優勝旗が心配でっ…!」


俺のその言葉に、莉子は頬を膨らませていた。


…あ、怒らせた。


と思いつつも、「莉子のほうが大事に決まってるやろ」なんて、そんな恥ずかしい言葉…。

今さら言えるわけないだろ。


むくれていた莉子だったが、なんだかおかしくなってきたのか、徐々に頬が緩み――。

俺たちは、顔を見合わせて笑ったのだった。